◆超入門 Web-仏像ミニ講座
(仏像を形の観点から見たミニ講座)
→ PC用
【
菩薩形
】
■戻る
◆
◆(2)
菩薩形
(ぼさつぎょう):
菩薩とは、本来悟りを求める者、すな
わち修行者の意味です。修行者は、本来
は僧侶なのですが、多くの菩薩像は僧侶
の姿とは異なります。(地蔵菩薩の場合
は僧侶の姿をしています。)僧侶の姿の
場合は僧形(ソウギョウ)という分類に
なります。また元々の修業僧は布をまと
っただけの姿です。でもこれでは如来像
と同じ姿になってしまいます。そこで実
際には、釈迦族の王子であった釈迦の、
出家する前の姿を基本としてつくられて
います。胸、腕、頭 が多くの装飾品で
飾られています。王族であった頃から悟
りを求める心が備わっていた事を意味す
るのでしょう。また如来の化身として表
現される事も多く、如来と共通の特徴も
あります。
菩薩の一般的な特徴をあげると、天衣
(テンネ)=肩から腕に掛けられた薄い
布、
宝髻
(ホウケイ)=髪をいろいろな
形に結ったもの、条帛(ジョウハク)=
たすき状に掛けた布、裳(も)=下半身
にまく布、
白毫
(ビャクゴウ)=眉間の
渦を巻いた毛(実際には水晶等の光り物
の突起物が用いられる事が多い)
白毫
は
如来と菩薩のみに用いられ。無い場合や
剥落(はくらく)した像もある。菩薩像
は幾つかの特徴的な姿をしていますが。
一部表現、追加的創作表現などがあり、
全ての特徴にも例外はあります。
寺院で、顔や手が複数ある異様な像を
見かける事が多くあります。多面多臂像
といわれますが、これは密教系の仏像に
多く見られる表現方法で、合成写真的な
表現方法です。あらゆる方法で人々を救
おうとする事を象徴した表現手法ですが、
非常に多くの作例が見られます。その極
めつけが、十一面千手千眼観音像です。
三十三間堂には、さらにそれが千体並ん
でいるから驚きです。余談ですが、三十
三間堂には、晴山作の千手観音菩薩(青
銅製)も祀られています。大きさは等身
の約半分です。
次は、
神将形(しんしょうぎょう)
について。
誤字、脱字、誤記、等を発見された場合は、
遠慮なくお知らせさい。
■ 仏像まめ知識 ■
1) 白毫 って宝石?
2) 肉髻は悟りの証し
3) 赤ん坊のような三道
4) 化仏は化身の象徴
5) 印相の意味するもの
6) 肉髻珠の秘密
7) 仏像の大きさ身丈
■ 仏像ミニ講座
形の上からの分類
●
大まかな分類
●
(1)如来形
●
(2)菩薩形
●
(3)神将形
●
(4)天女形
●
(5)僧形
●
(6)明王形
●
(7)仏像の髪形
●
(8)宝髻の形
● 仏像の服装
● 仏像の光背
● 仏像の台座
● 仏像の持物
----【トピック】----
◆大河ドラマに続々登場
「
風林火山
」に、
不動明王
、
毘沙門天
が登場
「
天地人
」に、
毘沙門天
、
竜の口
が登場。
「
篤姫
」に、
普賢菩薩
が登場。
「
龍馬伝
」に、
慈母観音
が登場
「
平清盛
」には、
鳳凰
が登場
「
おんな城主直虎
」には、
釈迦如来
が登場
◆火曜ドラマ「
神の雫
」に、
弥勒菩薩
が登場
◆「ちりとてちん」には小浜の人魚像が登場